2月に医師国家試験が終わると初期研修がもう目の前ですね。
4月までの期間は旅行などに行く人も多いと思いますが、この時期は研修医に向けての準備の期間でもあります。
もちろん遊んでおくことも重要ですが、初期研修の研修スケジュールもこの辺りに決める必要があると思います。働いていない段階でスケジュールを決めろと言われてもよくわからないですよね。
もちろんどの診療科も学ぶことが多いですが研修医は24ヶ月しかないため全てを選ぶことはできません。そこで今回の記事では私が実際に研修して絶対にローテートした方が良いと感じた診療科をまとめてみました。
研修スケジュールで迷っている人は是非参考にしてみてください!
研修スケジュールの大前提!
もちろん研修スケジュールは完全に自由に決められるわけではありません。
必修診療科
まずは基本ですが必修診療科は研修する必要があります。
研修医の義務はこの厚生労働省のホームページの目次1(かなり長いですが)で見ることができます。
必修診療科は2021年2月現在ですが、
- 内科:24週以上
- 救急科:12週以上(4週間はまとめて行い、残りは週1回の当直などでも良い。また4週間まで麻酔科でもOK。)
- 外科:4週以上
- 小児科:4週以上
- 産婦人科:4週以上
- 地域医療:4週以上(できれば2年目に研修)
- 精神科:4週以上
またこの中で4週間以上の一般外来での研修が必要。以上のことが厚生労働省のホームページで定められています。
3年目以降の後期研修は?
初期研修中には3年目からの専門医に向けての後期研修プログラムについても考えなくてはいけません。今後長い期間働く診療科が決定する大事な時期でもあります。
初期研修2年目の11月に専門医プログラムの1次募集があり、12月に2次募集があります。基本的にはここまでに自分の専門分野を決めなくてはいけません。
ただ都会の人気病院では後期研修プログラムに対して定員以上の応募があるため早めに選考を始めている病院もあり、自分が行ったらもう入れないみたいなことも起こります。僕が今まで聞いた話では初期研修2年目の6月くらいに決まっているプログラムもあるようです。
ここはとにかく早めに情報を集めなくてはいけないということですね。
のんびり必修診療科を研修していて最後に自分の興味がある診療科を回してしまうと、その診療科を経験しないで専門医プログラムに登録することになってしまいます。必修診療科は2年目の後半でもいいのでとにかく早めに興味がある診療科で研修することが必要になります。
研修する期間は?
研修する期間というのは一つの診療科をどのくらいの期間研修するかです。僕が2年間研修して1ヶ月だけの研修では仕事に慣れるだけで終わってしまい、実際にその診療科について詳しくなるのは2ヶ月目からと感じました。
同じ病院であっても診療科によって様々ないわゆる雑用のような仕事があります。病棟によってルールが違うかもしれません。このようなことに慣れるのにはどうしても1ヶ月はかかってしまうのでしっかり知識を身につけたい場合は一つの診療科を2ヶ月間研修することをおすすめします。
それでは初期研修おすすめの診療科
前置きがかなり長くなってしまいましたね。ただとても重要な話なのでしっかり意識してください。
ここからは私のおすすめの診療科を紹介して行きます。現在のプログラムでは自由に研修できる診療科がかなり少なくなってしまいました。そんな短い自由選択期間ですが、参考にしてみてください。
救急科
救急科が単独である病院はぜひ救急科を少し多めに研修することをおすすめします。
救急科は現在のプログラムでは最低8週間は研修することになっています。救急科の研修は救急科が単独ではなく、日々の当直のみで救急研修としている病院もあるとは思います。
純粋にあらゆる疾患や手技を経験することができるという点でおすすめです。
救急外来に来る多くの患者さんは何も診断がついていないところから始まります。他の診療科だと大きめの病院であればすでに診断のついている患者さんの紹介なども多いのではないかと思います。入院患者さんがいる病院では初期の全身管理などかなり臨床の基本となってくる部分が学べます。
たださらに重要なポイントとして3年目になってからは当直のバイトなどで一人で当直を行う可能性があるためそれに備えなくてはいけないという点があります。初期研修のうちに救急外来はマスターしておかないと3年目から一人になった時に困ります。
あまりいないかもしれませんが、研修スケジュールで余っている期間ができてしまったような人は選択するといいと思います。僕の研修病院での救急科研修についてはこちらの記事にまとめているので興味がある人は読んでみてください。
眼科、皮膚科、耳鼻科、整形外科
いわゆるマイナー診療科ですね。これらの診療科は志望する人でなければなかなか初期研修で選ばないと思います。
これらの診療科をおすすめする理由は初期研修で選ばなければ一生経験しないからです。そして尚且つこれらの診療科は一番身近な診療科だからです。
みなさんが今まで行ったことある病院を考えてみてください。もちろん一般的な内科が多いとは思いますがその次に行くのは眼科、耳鼻科、皮膚科、整形外科当たりではないでしょうか。
つまりこれらの診療科の疾患はよく見かけるはずです。そしてこれらの診療科はとても専門性が高く、経験するとしないとでは大きく変わってくる診療科になります。例えば皮膚科の話になりますが、外用薬はどのくらいの面積にどのくらいの量を処方したらいいでしょうか。答えは1FTU(指先に乗るくらいの量)で成人の手のひら2枚分くらいです。
もちろん知っている人も多いと思いますが、意外と適当にしている人も多いと思います。こういったことを学べるマイナー診療科を初期研修で少しでもローテートすることをおすすめします。
僕の研修病院での皮膚科研修についてこちらの記事にまとめているのでこちらも参考にしてみてください。
病棟での研修
外来での研修
まとめ
今回の記事では初期研修のスケジュールを決めるに当たって重要なポイントとおすすめの診療科についてまとめました。
スケジュールはしっかり3年目以降のことも考えて決めましょう。おすすめの診療科に関しては、
- 余っているのであれば救急科
- 眼科、皮膚科、耳鼻科を少しでも
という点について書きました。
もちろん必修の診療科というかどの診療科も重要です。内科だけでも循環器、呼吸器、消化器、腎、神経などたくさんあるので全て取ると余る期間はないかもしれませんね。
24ヶ月という短い期間ですが、よく考えて充実した初期研修を送れるようにしてください。
僕の研修病院での様々な診療科についてまとめているのでこれらもよかったら読んでみてください。
循環器内科
小児科
麻酔科
腫瘍内科
膠原病内科
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