みなさんは母乳に対してどのようなイメージを持っていますか?
「母乳は赤ちゃんにとって良いもの」「母乳をあげるのは大変そう」「乳腺炎になると熱が出ると聞いたことがある」など様々なイメージをお持ちだと思います。
今日は現役助産師が母乳育児のメリットについてお答えしていきます。
赤ちゃんへのメリット
赤ちゃんへのメリットは主に7つあります。
①栄養学的に優れている
②赤ちゃんが感染症にかかりにくくなる
③大人になってからの生活習慣病(肥満・高血圧・糖尿病)になりにくい
④知能指数、認知能力の発達が良くなる可能性がある
⑤歯並びが良くなり、歯の問題を少なくする
⑥がんのリスクを減少させる
⑦アレルギーを予防する
「初乳から卒乳まで」みやぎ母乳育児をすすめる会より
などなど…いい事ばかりですね!
この中でも私が特にすごいと思っているメリットは①の栄養学的に優れているというものです。
母乳にはミルクにはない栄養がたくさん含まれています。特に初乳といって一番はじめに出る母乳は赤ちゃんの免疫力を高める成分がたくさん含まれていると言われています。また赤ちゃんの中には早産となり予定より早い週数で産まれてしまう赤ちゃんもいます。早産の場合には、早産の赤ちゃんに必要な成分が含まれている母乳が出ると言われています。
お母さんへのメリット
お母さんへのメリットは主に6つあります。
①子宮が早く妊娠前の大きさに戻る
②体重が減少する
③乳がん・卵巣がん・子宮体がんのリスクが減る
④骨密度が維持され、骨粗鬆症のリスクが減る
⑤手軽に授乳できる
⑥お金がかからない
「初乳から卒乳まで」みやぎ母乳育児をすすめる会より
このように母乳には赤ちゃんへのメリットだけでなくお母さんへのメリットもたくさんあります。
特に⑤手軽に授乳できるというのは大きなメリットです。ミルクをあげる場合、ミルクの粉をお湯に溶かし人肌くらいの温度に冷まして赤ちゃんに飲ませる必要があります。外出中などもミルクの粉とお湯を持ち歩かないといけないです。また夜間なども母乳であれば、すぐに授乳できますが、ミルクの場合は毎回作らないといけません。そして授乳が終わった後は哺乳瓶と人工乳首を消毒しなければなりません。母乳であれば、いつでも手軽に清潔なものを好きなだけ授乳できるという大きなメリットがあります。
また⑥お金がかからないというのもメリットの一つです。ミルクの場合は年間20万円以上かかると言われています。またミルクの場合は哺乳瓶と人工乳首、消毒液も購入しなければなりません。とても大きな金額ですね。このように経済的な面からも母乳を希望する人が多くいます。
社会的なメリット
母乳には社会的なメリットもあります。
①赤ちゃんが病気になりにくく、医療費削減につながる
②母子の絆が強くなり、虐待やネグレクトが減少する
「初乳から卒乳まで」みやぎ母乳育児をすすめる会より
授乳によって出てくるプロラクチンやオキシトシンというホルモンをみなさんは知っていますか?これらは愛情ホルモンといって「赤ちゃん可愛い」と感じたりするホルモンでお母さんの気持ちを穏やかにします。お母さんが赤ちゃんと結びつこうという強い感情を促進します。
肌と肌を触れ合わせて授乳をしていると、赤ちゃんのしてほしい事や気持ちがよくわかるようになっていくので、多くのお母さんたちがだんだんとそれにどのように対応したらいいのか判断できるようになると言われています。
「これでナットク母乳育児」より
このように母乳育児によってお母さんと赤ちゃんの絆が強くなり、虐待やネグレクトが減少すると言われています。
最後に・・・ミルクはダメなの?
母乳育児のメリットいかがだったでしょうか?
母乳育児のメリットについて書いてみましたが、もちろんミルクのメリットもあります。赤ちゃんの体重が減ってきていたり、お母さんが疲れていたりする時はミルクの出番です。ミルクは母乳と比べて腹持ちがいいため、赤ちゃんがよく寝てくれます。
<ミルクのメリット> ・母乳に比べて腹持ちがいいため、よく寝てくれる ・お母さん以外の人でも簡単にあげられる ・どのくらい飲んだのか分かりやすい
実際には、母乳とミルクの両方の混合で授乳される方が大半だと思います。
入院中は助産師が、お母さんと赤ちゃん1人1人に合わせた授乳指導をしています。
100人いたら100通りの授乳の仕方があるほど、授乳は人それぞれです!
周りの人と比べず、自分と赤ちゃんに合った授乳方法を作っていく事が大切です。
そのためのサポートを助産師はしていきます💕
焦らずゆっくりやっていきましょう!
今回参考にした本です↓
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