皮膚科研修について【外来編】

M.A

今回は皮膚科での研修の外来について書いてみたいと思います。
皮膚科の患者さんの大半は外来で通院しています。
僕の研修病院では皮膚科の研修は1ヶ月病棟、1ヶ月外来というスタイルでした。
以前の記事で病棟での研修については書いたのでこちらも読んでみてください。

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皮膚科外来研修の概要

まず皮膚科の外来は当然のことですが、新患と再来の患者さんがいます。

新患の患者さんはまず若い医師が最初に予診をとり、その日の診断医となっているベテランの先生にプレゼンし、鑑別なども考えた上で診断医が方針を決定するというスタイルを取っていました。

再来の患者さんに関しては自分が新患で見た患者さんをフォローしたり、他の先生が見ていた患者さんを一緒に診察したりしました。

研修医の業務としては新患の予診をとり、検査を行い、自分で疾患を考えて上級医に相談しその後の方針を決定するという新患外来の業務がメインでした。

1ヶ月以内に再診の患者さんは再来でフォローしました。

新患外来について

新患外来に関しては基本的にクリニックなどからの紹介患者さんがメインでした。

紹介になる理由としては

  1. 悪性腫瘍が疑われる
  2. 外科的な手術、手技が必要
  3. レーザーなど専門的な加療が必要
  4. 入院加療が必要
  5. 診断がつかない、よくならない

このような理由が多かったです。

悪性腫瘍が疑われる

悪性腫瘍に関してはほくろがあって悪性黒色腫も否定できない場合や明らかに悪性腫瘍が疑われる場合など様々でした。
腫瘍に関しては皮膚生検が必要になることが多かった印象です。

皮膚生検はかなり経験しました。
どうしても確定診断に病理組織診断が必要な疾患が皮膚科は多いです。

悪性腫瘍に関しては基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫、DFSPなど様々な疾患を経験しました。

外科的な手術、手技が必要

クリニックや中規模の病院であれば、診断ができたが手術はできないという病院もあるのでそういった場合に紹介となる患者さんもいました。

この場合はすでに診断がついているので入院手続きなどが主な業務であまり勉強にはなりません…

レーザーなど専門的な加療が必要

異所性蒙古斑(お尻以外の部分の褐色斑)は早期のレーザー治療で多くの場合はきれいになると言われています。こういったレーザー治療は病院によってできるところ、できないところがあるため僕の研修病院には紹介となってくることもありました。

レーザーも少し実際に打つのを経験しました。すでに打ったところは打たないようにするのでしっかり計画的にレーザーを打つのが難しいところです。
また子供は暴れてしまうので大変ですね。

レーザー治療に関する紹介は比較的多かったです。

入院加療が必要

入院については前回の皮膚科の記事(上にあるリンク)でも書きましたが例えば尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡などはステロイドによる加療が必要で導入するときは入院で経過を見なくてはいけません。他にも熱傷で処置が必要になる場合なども入院ですね。

こういった人も紹介となっていました。

診断がつかない、よくならない

あまり多くはありませんが、痒みなどの症状が強く、診断もついていないため紹介となり、入院、外来でいろいろな加療、精査を行うという患者さんもいました。
こういった患者さんは外来で見ても研修医程度の知識ではもちろんわからないです。

また治療を始めたけどなかなか良くならないという患者さんもいました。

外来で学べたこと

病棟業務では傷の処置などが主な管理でしたが、外来ではとにかくいろいろな皮膚疾患を経験しました。ただ他のクリニックでは対応できない難しい症例が多かったのも事実です。

僕は皮膚科に興味があったのでいろいろな皮膚の病気を診て鑑別を考えるとういうのは面白かったです。逆にあまり皮膚科に興味がない人にとっては外来業務よりも傷の処置を行う病棟業務の方が勉強になるかもしれません。

ただ一方で入院中の患者さんの紹介では比較的commonな皮膚疾患(白癬など)を診たためこういったものはあらゆる研修医に勉強になると思います。

まとめ

皮膚科に興味がある人の場合、皮膚科で研修する時は外来を研修した方が勉強になると思います。外来はいろいろな疾患を見ることができるので皮膚科の面白さがあると思います。

一方で皮膚科にそこまで興味はないけど研修してみたいという人は外来、病棟どちらも面白いと思います。

皮膚科にならない人にとっては研修で関わらなければ一生詳しく学ぶことはないと思うので研修する診療科を選ぶときに選んでみると良いと思います。
ただし少し疾患の鑑別が難しすぎるという点もあります。

研修医にとっては他の診療科と比較するとそこまで忙しくない診療科だと思うので仕事のあとにいろいろなことを勉強する時間もある点も良いところかもしれません。

僕はとても充実した2週間を送ることができました。

皮膚科研修のおすすめの本もまとめています。参考にしてみてください。

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