みなさん論文を読むことはありますか?医療者や研究者であれば論文を読まずには生きていけないと思います笑。最近はコロナが流行して様々な情報が出回っていますが、正しい情報を得るには論文が一番です。しかし論文は英語で書いてあって、英語が苦手な人はなかなか読む気は起きないですよね。
そんな論文を読む時におすすめのツールがDeepLという翻訳アプリです。DeepLを使うと論文はこんな簡単に読めたのかとびっくりします。今回はこのDeepLについて簡単に紹介したいと思います。
翻訳といえばGoogle翻訳?
DeepLはこのサイトです。
言語の翻訳といえばGoogle翻訳を思い浮かべる人が多いのではないかと思います。僕もこのDeepLを知るまではGoogle翻訳を使っていました。Google翻訳も色々な言語に対応しておりかなり便利です。
Google翻訳の弱点
Google翻訳はある程度は大丈夫ですが、論文などの専門的な内容に関してはやはり精度が低いです。論文だと正直何を言っているのかわからないことが多いです。
試しに論文のSummaryの部分を翻訳してみます。こちらの論文は自閉症スペクトラム障害に関してシングルセル解析などを行っている論文です。
英語では
Genetic perturbations of cortical development can lead to neurodevelopmental disease, including autism spectrum disorder (ASD). To identify genomic regions crucial to corticogenesis, we mapped the activity of gene-regulatory elements generating a single-cell atlas of gene expression and chromatin accessibility both independently and jointly.
https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.07.039
Google翻訳では
皮質発達の遺伝的摂動は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を含む神経発達障害につながる可能性があります。 皮質形成に重要なゲノム領域を特定するために、遺伝子発現とクロマチンのアクセス可能性の単一細胞アトラスを独立して共同で生成する遺伝子調節エレメントの活性をマッピングしました。
https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.07.039
DeepLでは
大脳皮質の形成が遺伝的に阻害されると、自閉症スペクトラム障害(ASD)をはじめとする神経発達疾患を引き起こす可能性がある。我々は、大脳皮質形成に重要なゲノム領域を特定するために、遺伝子発現とクロマチンアクセスの単一細胞アトラスを作成し、遺伝子制御要素の活動を単独および共同でマッピングした。
https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.07.039
と明らかに日本語としての読みやすさが違うと思います。というか最後の方はGoogle翻訳では誤訳になっています。
DeepLの特徴
DeepLの特徴はなんと言ってもその翻訳の精度です。論文のような専門的な用語が多い文章でもしっかり理解できる日本語に変換してくれます。
人工知能を使った翻訳が特徴でかなり精度が高いと思います。Google翻訳も同様のシステムを使っていると思いますが、どうしても精度が劣ります。
使ってみるとカタカナの使い方が上手だと思います。Google翻訳はカタカナであるべきところを翻訳してしまったり、日本語にすべきところをしなかったりというミスが多いと思います。
DeepLダウンロード版とウェブ版の違い
DeepLにはダウンロード版とウェブ版があります。基本的な違いはあまりないです。どちらも無料版は5000字までの翻訳ですが十分です。ダウンロード版だと特定の操作で自動的にコピーして翻訳できるようになります。デフォルトの⌘Cは使い勝手が悪いので何かしらに変更するのがおすすめです。
ちなみに字数無制限などがある有料版も存在します。
DeepLのデメリット
DeepLはほとんどデメリットがありませんがあえて挙げると一つのデメリットがあります。
それは、あまりに優秀な翻訳サービスなので論文を英語で読まなくなってしまうことです。ずっとDeepLで翻訳ばかりしていると英語力が成長しなくなってしまいます。たまには使わないようにする意識が英語力の上達のためには必要だと思います。
英語を読まなくなること以外にデメリットは思い当たりません。とにかく、すごいアプリだと思います。
DeepLについてのまとめ
とにかくDeepLは優秀な翻訳サービスです!使っていない人はいますぐに使ってみることをおすすめします。無料でこの精度なので驚くと思います。日本語で論文を書いてそのまま英語にしてしまうような離れ業もできてしまうようです。使いすぎも良くないような気がしますが、手っ取り早く論文を読みたい時などはとても有効なので是非使ってみてください!
コメント