先日、日本学術振興会特別研究員の2次選考結果が発表になり、無事採用となりました!採用率2割の狭き門であり、これまで学会発表以外の実績、つまり論文は一つもなかったので厳しいとは思っていましたが採用となって良かったです。今回の記事では今回コロナウイルスの感染拡大で変更になった選考過程や論文0から採用となった私の申請書類に関して少し書きたいと思います。これから申し込む人は参考にしてみてください!
2022年度DC1の選考について
選考に関しては新型コロナウイルスの流行もあり、2022年度は大きく変更になりました。具体的にはこれまで2次選考で行われていた面接がなくなり書類一発勝負のような形になりました。しかも1次選考、2次選考は審査員の先生方が変更になるだけで同じ書類を審査されます。
今までの選考はとても優秀な人が1次の書類のみ、多くの人が2次審査の面接に進むような形式でしたが今回は1次審査で多くの人の結果が決まり、2次審査は少数のみが進みました。1次審査で合格者の8割が決定していました。そして2次審査には全体の4%程度が進み、その中で6割程度が採用、数名が補欠、残りが不採用という形になっていました。
書類が全てなので6月に提出して10月に1次審査の結果、12月に2次審査の結果を待つという形です。面接の準備などはないので提出した後は祈るだけですね。
申請書類に関して
申請書類も2022年度から少し変更になりました。具体的には研究について書く部分が縮小になり、自己アピールが増えました。
それぞれに関して私がどのように書いたか解説します。尚、実際の書類はお見せできないのでご了承ください。
研究計画
ここが縮小になった部分です。年度ごとの計画はなくなりました。これはまあ当然でこの部分は指導者が書いてしまう可能性があるからだと私は思っています。学生本人の実力をここで判断は難しいとなったからでしょう。
修士課程から研究していたという人はしっかり研究計画も理解しており書けると思いますが、私のように医師から直接研究のような学生だと提出まで2ヶ月もないのでかなり指導者に教えていただきながら書きました。
書き方に関しては
- しっかり項目の説明に合わせて書く
- 図を入れたり強調するところは太字にする
などよく言われているポイントを踏まえて書けば問題ないと思います。2枚しっかりと書きましょう。
人権の保護及び法令等の遵守への対応
ここは採点対象外です。自分の行う実験に合わせてしっかり書きましょう。指導者から書き方を教えてもらうといいと思います。
研究遂行力の自己分析
ここからは自分のことであり他人と書き方によって差がつく部分なので力を入れて書きました。というか研究の実績がない人が自分がすごいとアピールするところはこの部分しかないと思います。とにかく自分がいかに研究に向いているかを書く部分になります。
研究に関する自身の強み
他の方がどう書いているかはわかりませんが僕は客観的事実に基づいて書くようにしました。ここの部分は具体的な成果を記すように書かれているため、その成果から私はこのような力があるというように書かなくてはいけません。(と僕は思っています。)とにかく成果はなんでもいいので絞り出すといいと思います。僕は小学生の時に英検で表彰された実績から英語力、学内の研究発表会で発表した経験から研究力、医師であることから医学知識や臨床に基づいた考察力があるといったことを書きました。基本的に筋の通った文章にできたらいいと思います。
今後研究者としての発展のために必要と考えている要素
ここは自分に不足していると思われることをとにかく書きましょう。ここは比較的書きやすいと思います。ただ前の項目と合わせて2枚なので前の項目が少し長くなった方がいいと思います。足りない事ばかりの人になってしまいますからね。
僕は純粋に研究の経験値や研究のための知識など一般的なことを書きました。
目指す研究者像等
ここの項目はとにかく壮大な夢を語るところだと考えました。とはいえ、個人的には結構書きにくかったです。目標とする研究者を挙げてみたり、新しいことを発見する研究者になりたいというようなことを書くといいと思います。また近年は研究者に社会実装力がかなり求められているため、社会に自分の研究成果をどのように還元するかといった内容を書くといいかもしれません。最近は社会実装をテーマとしてプログラムを多数国が行っています。(卓越大学院プログラム、次世代挑戦的研究者育成プログラム等)私は医学研究なので新規治療ターゲットの発見、世界での活躍などと書きました。
採用期間中に行う研究活動の位置付けに関しては何を書くかよくわかりませんでしたが、研究室での研究をどのように将来に活かすかと、僕は卓越大学院プログラムというプログラムに参加していたのでこのプログラムについて書きました。卓越大学院プログラムは大学によって内容は違うと思いますが、実際に受けた感じそこまでタスクもなく経済的な援助もあるのでおすすめです。後日記事にしようと思います。
評価書
評価書に関しては内容を教授に提供したり、学士がほとんど書いたりと研究室によって書き方が分かれると思います。ここまでの内容を書いていればそれを簡単にまとめて教授に提示し、書いて頂きましょう。
学振DC申請全般に関して
とにかくこういったお金をもらえるシステムは入学から提出までの期間が短いので早めに始めましょう。
この学振以外にも次世代挑戦的研究者育成プログラムなどたくさんの奨学金があるので一度調べてみるといいと思います。どれも申請書は似たようなことを書くので一度書いてしまうと楽です。ただ共通して言えるのがどれも入学してから申請までの期間が短いため(入学前申請のものもある)早めに探し、指導者に相談して準備するのがいいと思います。当然ですが経済的援助はあるだけバイトを減らすことができ、研究に集中できるのでとにかく何かもらいましょう。
学振DCについてのまとめ
正直、僕も二次採用でありギリギリでした。やはり周りを見ていると学振のようなものは論文を持っているだけで圧倒的に有利です。持っていない人と比べると研究の経験があるわけですからね。将来研究を考えている人は何かしら学生や研修医などの間に論文や学会発表をたくさんしておくとかなり有利になるので積極的に行ってください。
ただ論文を持っていなくても合格はできるということは私の結果から示せたと思っています。申請書類に関しては問い合わせをいただければ、ここの部分をもう少しどう書いたかなどは具体的に説明できるのでわからない人は連絡やコメントをしてください。とにかく実績が少ない場合はなんでもアピールするだけなので表彰されたことなどを思い出してとにかくたくさん書きましょう!
学振DC以外にも次世代挑戦的研究者育成プログラムなど同様に経済的支援を受けられるプログラムがいくつかあります。次世代挑戦的研究者育成プログラムも学振DCと内容は大きく変わらないため学振を考えている人はこちらも検討してみてください。こちらのプログラムに関しては下の記事にまとめているので参考にしてみてください!
また卓越大学院プログラムも同様に経済的支援を受けれるためおすすめです。こちらのプログラムも私は参加しており、記事にもまとめたためよかったら読んでみてください!
他にもいくつか大学院に関する記事を書いているので読んでみてください!
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