研修医を終えてそのまま大学院に入学してから3ヶ月が経過しました。臨床の世界からいきなり基礎医学の世界に飛び込みましたがい今の所は研究室のメンバーにも恵まれ、順調に勉強を進めることができています。この記事ではこの3ヶ月間の感想を書いてみようと思います。医学系の大学院に興味がある人、これから大学院生になることを考えている人はぜひ読んでみてください。
久しぶりの実験生活
基礎医学の実験は学生時代に行って以来でした。最初はとにかく実験の技術に関して学ぶことがとても多かったです。もちろん今もいろんな実験手技を学んでいるところです。
実験は同じようなことを何回も繰り返すことが多いのでつまらないという人もいるかもしれませんが、毎回実験をして様々な結果が出るのは僕は面白いと思っています。
また臨床とは異なり基本的に日中働きます。生活リズムは当直が週に1回程度ある臨床と比較すると当然ですが、安定していると感じます。ただもちろん実験のために朝早くからや、夜遅くまで実験をする日もあります。
研究室では8時半から9時ごろに行き、21時ごろに帰るという生活をしています。日中に実験をして、夜は免疫学に関することやプログラミングに関する勉強をしています。臨床の時より研究室にいる時間は長いですがリズムが保たれているので僕は満足しています。
実験で行っていること
実験は色々なことをしています。学んだ実験手技は
- フローサイトメトリー
- マスサイトメトリー
- 細胞の培養
- PCR
- 免疫組織染色
など多彩です。まあ医学系の実験には必須の基本的な内容ですね。
最近はシングルセルRNA解析の練習などもしているため少しずつですがプログラミングも進めています。個人的にプログラミングは勉強したいと思っていたのでよかったです。
経済的にはコロナに助けられた。
大学院生になり一番の問題点はやはり経済的な問題です。学生ということで当然ですが給料はありません。しかしながら税金は取られますし、健康保険なども支払う必要があります。もちろん家賃や食費などの生活費もかかります。研修医は学んでいるだけで給料が出ていましたが、大学院生は出ません笑。
もちろん医師免許は持っているのでバイトは可能ですが、臨床をすることで研究の時間が減ってしまうのもどうかと思っていました。
そんな時に現れたのがコロナのワクチン接種会場のアルバイトでした。正直時給はかなり良く、土日に勤務が可能です。週に1回働くだけで生活するには十分になったため経済的にはとても助けられました。医師で大学院生という人の多くは助けられていると思います。
今後研究の道に進む人におすすめのこと
こちらに関してはまた別な記事にもしてみたいと思いますが、研究に進むことを考えている場合、まず学生時代や研修医時代に何かしら論文や学会発表など実績を残すことが重要だと感じました。
僕も学生時代や研修医時代に発表の機会がありましたが正直プレゼンの練習程度にしか思っていませんでした。
しかし大学院生になって分かったのが、これらの経験というのが実績として残るということです。そしてこれらの実績というのが奨学金の申請などに大きな影響を与えるということでした。多くの人はこういった実績を持っていません。しかし一部は持っている人がいます。そしてこれらの人が何か奨学金などがあった場合有利になります。
他には何か表彰された実績や資格なども大事だと思います。学生時代は時間があるのでこういったものを取得してみるといいと思います。
もう一つおすすめなのがプログラミングです。プログラミングは現在、色々なところでおすすめされていると思います。そんなプログラミングですが、現在は塩基配列などの膨大なデータを扱うために基礎研究においても必要となりつつあります。いわゆるバイオインフォマティクスというやつですね。必須というわけではないですが時間がある時に勉強しておくといいと思います。
卒業後は?
まだ入学したばかりですが、流石に卒業後のことも考える必要があります。
僕はある程度研究を進めて自分に合わない場合は臨床に戻るつもりです。現在、大学に入局した多くの医師は半ば強制的に大学院に進んでいると思います。気分転換になったりするのかもしれませんが、臨床を極めたい人にとっては不要だと思います。実際に「臨床をしたいのに大学院で研究をしなくてはいけなかった」という医局に入局している先生にも会いました。臨床が乗ってきたタイミングで研究するのは効率が悪いと思うので僕は若いうちに研究をしてしまうのも悪くはないと思っています。
研究が合わなかった場合のことを書きましたが、研究が会う場合はそのままポスドクになったり、製薬会社への就職を目指そうと思います。まあこれが現実的な選択肢だと思います。
全体的な感想
実験自体は僕は好きなので大学院生の生活はとても満足しています。ただその一方で経済的な問題など、卒業後に大学院生になることにハードルがあることも事実です。僕もコロナワクチンのアルバイトがないと今以上にバイトをしなくてはいけなく、実験に使うことができる時間も短かったと思います。
4年間で結果を出さなくてはいけないのでプレッシャーもありますが少しずつ実験を進めてさらに就職した場合にその会社で使える実験やプログラミングなどの技術も身につけていきたいと思っています。
ただの医師から大学院生になった感想となってしまいましたが、これから大学院生になる予定の方などに参考になれば幸いです。
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