みなさん精神科での研修は予定していますか?私の代までは症例レポートがあり統合失調症の入院患者さんのレポートを提出する義務があったため精神科での研修を選択していた人も多いのではないかと思います。私も2年目の3月で精神科を選択しました。これまで色々な診療科での研修について書いてきましたが今回が最後になります。
現在のプログラムでは精神科での研修は必修となっています。精神科の研修でできること、学べることについてまとめているので精神科での研修を考えている人はぜひ読んで参考にしてみて下さい。
精神科研修でできること。
もちろん病院によってできることは異なると思いますが、精神科の研修では基本的に入院患者さんの日々の診察及び、外来の予診を行います。
入院患者さんの診察
入院患者さんの診察は他の診療科同様、回診を行い日々の変化を見ていきます。精神科的な領域はたくさん精神科で研修している研修医でない限りなかなか介入するのが難しいと思います。
そのため研修医ができる内容は一般的な内科的症状に対する介入ではないかと思います。
外来患者さんの予診
予診は新規の外来患者さんに対して行います。予診では本診の前に基本的な情報収集を行います。かなり細かく色々な情報を集めるので1時間程度の時間をかけます(もちろんかからない場合もあります)。既往歴や家族歴などの他の診療科でもよく問診する情報に加え、家庭環境、教育歴、職業歴などや性格、成績といった情報も収集します。
初診が終わり外来でフォローしていくとなった場合、それ以降の外来診察は一人10分程度としなければ外来が回らなくなってしまいます。そのため基本的な情報収集はある程度時間に余裕がある新患外来で行わないといけないという事情もあります。
この予診が終わった後は上級医による本診があり今後の方針に関してを決めていくといった流れになります。近くのクリニックに紹介したり外来でフォローしたりなどですね。
専門外来の見学
僕の研修している病院では子供の外来や他の診療科で入院している患者さんの診察をするグループなどかなり外来が細分化されていました。こういったものは実際に研修医が何かするわけではありませんが、見学して経験することはできます。
カンファレンス
精神科はかなりカンファレンスが多い診療科だと思います。他職種でのカンファレンスや身体拘束に関するカンファレンスなどが患者さん一人一人に対して1週間に一度など行われています。今後の方針などがわかるのでありがたいですね。
電気けいれん療法
学生時代に経験したことがなかったので精神科で一度見学してみたいと思っていたのが電気けいれん療法でした。MECの講座で学んだのを覚えています。僕の研修している病院ではHCUに移動し麻酔科の先生に麻酔をかけていただき、電気けいれん療法を行っていました。特殊な治療のため精神科研修を行う方であれば一度はこういう治療なんだと経験しておくといいと思います。
精神科研修で学べること
精神科で学べることはやはり精神疾患の症状についてではないでしょうか。
僕は精神科を1ヶ月しか研修していませんが、1ヶ月程度で何かできるようになる診療科は基本的にはないのではないと思っています。僕は精神科1ヶ月の研修で国家試験で勉強した内容の復習がメインでした。またその学んだ症状は実際にはこのような現れると確認することができました。
治療に関してはなかなか難しいく精神科志望でない限りは使うことも少ないと思います。僕は治療に関しては研修中あまり勉強しませんでしたが院内の講義で学んだ曝露反応阻害法はとても興味深いと思いました。(汚れるのが怖いと思っている人に対してそれを触れて、汚いけど洗わなくてもいいと認識してもらうような治療です。)
精神科で経験した疾患
- 統合失調症
- うつ病
- 産後うつ
- 摂食障害
- 薬物加療内服
- 自閉症
メジャーな疾患は大体経験したような気もしますが、経験症例が少なかったのでまだまだたくさん疾患はあると思います。
精神科のおすすめ教科書
こちらの記事にまとめているので参考にしてみて下さい。(未作成)
精神科研修のまとめ
やはり精神科はかなり特殊な領域であり難しいと実感しました。やはり患者さんと接する時も少し言葉を選び会話します。
精神疾患に関しては救急外来などで必ずと言っていいくらい経験するので一度学んだり経験するのは医師として働く上で重要ではないかと思いました。研修医は基本的には診察の見学になってしまうと思いますが上級医の診察を聞いているだけでもこれを質問の意図などを考えるとかなり勉強になるので良いと思います。
僕の周りを見ていると少し苦手な人や興味がない人も多い診療科のようですが、僕は研修してみて奥が深い診療科だと思いました。将来のためになるのでしっかり研修するといいと思います。
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