少し投稿が遅くなってしまいました。今回の記事でも今週の医療ニュースと免疫学の論文を紹介しています。
医療ニュース
今回は臨床の論文ではなく医療ニュースを選びました。
初診からオンライン診療の恒久化
現在は特例として特定の状況が当てはまる場合に初診からのオンライン診療が認められています。これは新型コロナウイルスの拡大のため一時的な特例でしたが、今後もできるようにすることが検討されているというニュースですね。
オンライン診療に関しては様々な意見があると思います。直接の身体診察はしないため、問診によって様々なことを判断しなくてはいけないです。病院に行く必要がないため最近であればコロナの心配もないですし、便利という人も多いと思います。しかし、誤診や見逃しのリスクを高めてしまうという問題もあります。
個人的にはオンライン診療はあまりしたいとは思いません。オンラインで診療した患者さんに何かあった時は困りますよね。
オンライン診療が向いているのは慢性疾患で毎回外来で同じ処方を繰り返しているような場合だと思います。
初診の場合、オンライン診療を受診する人に誤診や見逃しのリスクがあることを理解した上で受診してもらえるなら大丈夫だと思います。使い方によってはとてもいいシステムだと思うのでうまく活用できるようになるといいですね。
話は変わりますが医療機関は全く電子化が進んでいません。電子カルテも普及したのはそこまで昔の話ではありません。また、病院間はFAXによる紹介状のやりとりが多いです。他の病院に採血の結果などを持っていくときも印刷した紙を持っていくと思います。河野さんもFAXを廃止するようなことを言っていましたよね。
個人的にはオンライン診療とかよりもこのようなアナログなやりとりを改善するための何か統一したシステムがまずは必要だと思います。いまだに病院間で手紙のやり取りをしているのはなんなんでしょうね。
一部ではこのようなシステムが導入され始めているようですが、早く全ての病院に広がってほしいですね。
他の病院でのカルテなどもみれるようにならないといけないと思います。まあもちろん個人情報の流出などがネックになっているのだとは思います。
コロナウイルスの拡大
コロナウイルスの感染者数が上昇してきましたね。今週で100万人あたりで見ると約88人です。世界的に見るとこの数字はまあ真ん中くらい(125位)ですね。割合で言うと以前からそうですがセイシェル諸島が一番多いようです。イギリスが100万人あたり2581人と先進国の中では群を抜いていますね。人数だけで見るとアメリカが一番多いです(日本は34位です。)。
下の変異株の状況がみれるサイト(gisaid)で見るといわゆるデルタ株が世界で増えていて他は基本的に減少に転じていますね。ファイザーのワクチンの予防効果が下がるという報告などもあるので気をつけたいですね。
免疫学の論文
腸内細菌がストレス反応を介して社会的行動を制御する
この論文では腸内細菌がコルチコステロンというストレスホルモンを介して社会活動性を制御しているという内容です。
実験の内容としては、
- 腸内細菌による社会活動性の評価、神経の活性化を示す細胞の量を測定
- 抗生剤や腸内細菌によるコルチコステロンの濃度の評価
- 腸内細菌と社会活動性の関連の評価
などを行っています。
結果としては、腸内細菌を抗生剤で殺してしまうと社会活動性が落ち、ストレスホルモンが出ないように副腎を取ってしまったり薬剤で抑制すると社会活動性が元に戻るようです。ちなみにこの社会活動性の評価はマウスを一度別なカゴに移し、その後同じ年齢のマウスと一緒のかごの移してマウス同士の接触した回数を5分間測ることで計測しているみたいです。面白い測定ですよね。
他にはマウスに抗生剤を投与し腸内細菌叢に変化を加えた上で社会活動性を評価し、そこから腸球菌が社会活動性に関わっていることを見つけています。
もちろんマウスの実験なので人間がどうかは言えませんが、人の社交性が腸内細菌叢によって決まるのであればとても面白いですね。これを食べると陽気になりますみたいなサプリが出るかもしれません笑。
まとめ
オンライン診療の今後はとても興味深いです。どうなっていくのでしょうか。
なかなかコロナも終息しませんね。ニュースとかをみているとコロナの感染者数は減らないものの、大規模なイベントを再開している国も多いですね。イギリスとかもウィンブルドンを観客をたくさん入れておこなていますね。やはりワクチンで重症化を減らしてあとは感染を許容するしかないのでしょうか。
腸内細菌は様々なものとの関連が言われています。今後もいろいろなことがわかってくるのではないでしょうか。
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